ノートe-POWERに感心した
去年の11月期の自動車販売台数で日産ノートが首位を守っていたトヨタのプリウスを抜いてトップに立ったことは記憶に新しいですね。
もともとノート自体、自動車販売台数では2位をマークしたり売れ筋の車だったのですが、マイナーチェンジによって新しく追加された
「レンジエクステンダーEVを搭載したノートe-POWER」
がこれまた人気を博しているみたいです。
この特設ページを見ても日産が力を入れて広報しているのが分かりますが、乗って見ないと価値は分かりません。私はレンジエクステンダーEVは技術的にも興味があり、近所に日産ディーラがあったこともあって実際に試乗をしてきました。
乗る前はガソリン車、乗ったら電気自動車
日産ディーラに着いて普通のノートではなく、e-POWERのノートに興味があるということを営業マンに告げると、ノートe-POWER MEDALISTという最上級グレードの試乗車が出て来ました。
当日は豪雨でスマホを出す気にもなれなかったので写真はありませんが、外観は至って普通の現行型ノートで、カラカラという1.2Lエンジンの軽い音も普段街中で見るノートそのものです。
しかし運転席に乗り込むとすぐに電気自動車だといいう事を思い出させられます。シフトセレクターに電気自動車のリーフと同じ物を採用しているからです。
ディーラの駐車場を出て国道に合流するためにアクセルをガッと開けます。するとキュイーンという音と共に、モータの特性であるフラットなトルクがもたらす加速感によって一瞬にして国道の流れに追いつきます。
この瞬間で「自分は電気自動車を運転しているんだ」というスイッチが入ります。
日産 ノートに搭載された新パワートレインe-POWERを動画で解説!(公式動画)
ラジコン感覚のワンペダルドライブ
このノートe-POWERは通常の回生ブレーキに加えてSモードという回生力が3倍になるモードがあります。
このSモードではブレーキ操作を行う事なく回生ブレーキのみで停止までしてくれるのです。まさにアクセルしかないラジコンと同じです。
アクセルペダルから足を離した時点で回生ブレーキによる減速が始まり、同時にブレーキランプも点灯してくれます。
停止中はブレーキを踏んでいてくださいと営業マンに言われましたが、万が一後ろから掘られた場合を考えたら当然の処置ですね。因みに、停止中ブレーキから足を離すと擬似クリープが介入します。
このワンペダルドライブ、慣れると相当捗りそうです。やはり始めは狙った停車位置にピッタリと合わせるよう操作を行うのはグランツーリスモのライセンス試験並みに苦労しましたが、慣れればブレーキパッドも減らない、捨てるはずのエネルギーも回収できて良い事づくめです。
"火力発電所"の音もさほど気にならない
レンジエクステンダーEVを全く知らない人に簡単に説明しようとするならば、火力発電所を積んだ電気自動車です。
火力発電所である58kWのガソリンエンジンは発電するため最も効率のよい回転数(2000〜2500rpm)で発電するそうです。メータにタコメータが存在しないので実際どのくらいエンジンが回っているのかは分かりませんでしたが、エンジンが回っているのが確認できるくらいに音が入って来るのは確かです。
しかし、MEDALISTに採用されている遮音設計によってエンジンノイズがかなり低減されているように感じました。ガソリンエンジンのノートにも何度か乗ったことがあるのですが、そのエンジンノイズとは全く異なるものでかなり抑えられていました。
普段からMTの2リッターをスコスコ運転してる私にとっては加速感に伴わないエンジン音というのは違和感を覚えますが、CVTの車でもそんな感じですし普通の人なら気にならないレベルだと思われます。
確かにひと踏み惚れだった。
私は欧州の自動車に対する考え方・風土が好きで、移動手段として乗られている日本車にはあまり興味が湧かなかったのですが、こんな素晴らしい技術が日本の大衆車にあるんだなと考えたら普通にアリだと思えて来ました。
ノートe-POWERにエアコンなしのカタログ燃費用グレードを用意するくらい燃費を意識する要因にもなったライバルのトヨタAQUAにも乗ったことがありますが、経済性はトントンだとして運転する楽しさ、所持する歓びを考えて私はノートe-POWERを推します。
ノートe-POWER NISMOも気になります。ノートe-POWERがもつバッテリーの搭載位置の低さからなる低いロールセンターによってコーナリングで安定感を感じさせられましたが、ニスモによってチューンされたサスペンションと補強パーツが入ったら更に良いものになるのではないでしょうか。
モータのトルクを生かしてミニサーキットなんかを走るのもそれは楽しい事だと思います。
日産:ノート [ NOTE ] 電気自動車 (e-POWER) | NISMO | ノート e-POWER NISMO
高速走行ではエンジンの回転数が4000rpmにも上がるとどこかのインタビュー記事で読んだのですが、試乗ではそこまでスピードを出せなかったので分かりませんでした。これは気になるところです。
別に日産からお金を貰っている訳ではないですが、久しぶりに感心したので感想を綴りました。何かの参考になれば幸いです。